EV、HV、PHVなど次々に新しい形態が登場し、100年に一度の転換期と叫ばれる自動車業界。
そんな自動車業界ピラミッドを支える自動車部品メーカーの将来性は?
実際に働いていた元自動車エンジニアが感じたことをお話しします。

生き残りのカギはEV!
自動車部品メーカーとは?
自動車部品メーカーとはサプライヤなどとも言われますが、カーメーカーに製品を納入する自動車のパーツを作っている会社です。
ジヤトコやデンソーのようにカーメーカーの子会社などグループ会社であったり、ボッシュやオートリブのようにカーメーカーとは独立していたりします。
私はこれまで3つのサプライヤで働いてきました。
日産○○だったり、独立系もありましたが、将来性について一番大きく影響してくるのはカーメーカーとの資本関係ではなく、どんなパーツを扱っているか?これが一番重要です。
グループ会社でもカルソニックカンセイ (現マレリ)やブリヂストンエラステック (現プロスパイラマニュファクチャリング)のように、いつでも資本関係の解消は出来ますので、今後どこのグループに属しているかということは、さらに重要性が下がっていくでしょう。
いかに自力で稼げるか、に尽きます。
自動車業界ではどんなメーカーが今後も生き残るのか?
自動車全体の電動化の流れ
自動車部品における電動化の流れは大きくなる一方です。
そしてその波はついにエンジンなどの原動機にまで達しました。
カーメーカーはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ハイブリッドなど原動機の種類によってグレードを分けていましたが、今後は不明慮です。
現行車種でガソリンエンジンとモーター (EV)の選択ができる車種はありません。
脱炭素の流れがこのまま大きくなるのは疑いの余地が無く、電動化の流れに乗れるメーカーが今後も生き残っていくでしょう。
⇒牛のゲップやおならで地球温暖化!?牛のげっぷ・おなら税とは
ロリポップ!なら初心者でも安心!
大人気のWordpress簡単インストールやショッピングカートなど
誰でもカンタンに使える機能が満載!
今後も必要になる部品
モーター
一番出番があるのがエンジンに代わる原動機となるモーターです。
既に日本電産はモーター、モーター制御に必要なインバーター、減速機を組み合わせたアッセンブリー、eアクスルを2019年4月から発売しています。
未だ黒字に到達していませんが、今後の需要の伸びを考えると有望な分野でしょう。
このeアクスルには日産系トランスミッションメーカー大手のジヤトコも参入を表明しています。
【早い者勝ち!】.com/.net/.jp ドメイン取るならお名前.com
シャシーフレーム
自動車である以上、ボディは無くなりません。
トヨタ車体や日産車体など車体メーカーは存続し続けるでしょう。
特にシャシーフレームはセーフティゾーンやクラッシャブルゾーンの設定など安全性や乗り心地の面で厳しい評価を受けるため、その分野に特化させた形で残ると思われます。
ただ、日産テクノという日産系の設計会社が日産ライトトラックを吸収して日産オートモーティブテクノロジーとなったように、グループ内で再編されていく可能性はあります。
シートベルトやエアバッグ
安全性部品や重要保安部品などと言われるアイテム群で、最大手はスウェーデンのオートリブです。
事故を回避する手段は色々と研究されているところですが、実際に衝突が起きてしまってからはシートベルトやエアバッグなどのアイテムを使い、物理的に衝撃を和らげるしか搭乗者を保護する手段はありません。
加えて、いかに自動運転が進み、レベル5の完全自動運転が実装されたにせよ、人が乗る以上はシートベルトは必須です。
さらに昨今ではシートベルトだけでなく、エアバッグも法規制が進んでおり、搭載されていて当たり前のものになってきていますので、今後も残るでしょう。
ついていて当たり前、ということは付加価値が下がるということでもあるので、単価は下がるかも知れません。
エアバッグはシートベルトに比べると比較的まだ新しく、最近では自動運転に連動したタイプで衝突前に展開するエアバッグもありますので、今後も必要数は増えていく可能性があります。
シート
こちらも人が乗る以上、必要な部品です。
以前、シートベルトとエアバッグを融合させた部品がありましたが、そういった重要保安部品と連携を深めていく可能性もあります。
【初心者向け】ブログの始め方完全ガイド!立ち上げから収入を得る方法まで
インパネ、カーナビ
EVとガソリン車で一番違いが出てくるパーツです。
ホンダeのインパネなんてカーナビ一体型でかっこいいですよね。
今後、インパネとナビは同じ意味になっていくかも知れません。
それだけに無くなることは無いでしょうが、変革期であることは間違いありません。
タイヤ
空飛ぶ車も開発されていますが、ドローンなどでも法規制が進んでおり、どこでも気軽に乗ることは出来なさそうです。
タイヤも残り続けるでしょう。
ただ、ブリヂストンなど最大手でも中国メーカーなどとの競争が激化しており、ブリヂストンエラステック (現:プロスパイラマニュファクチャリング)をグループから手放してしまいました。
確かに最近は中華メーカーで安価なタイヤも多く見かけます。
無くなりはしないでしょうが、予断を許さない状況にはあるでしょう。
バッテリー
EVの場合、現行のHVなどとは比べ物にならないほど巨大になりますが、当然バッテリーも必要です。
アメリカの大手EVメーカーであるテスラはギガバッテリー工場と呼ばれる巨大な工場を有しています。
ただ、既にアメリカ、日本、中国などでバッテリー競争がし烈なものになっていることは良くニュースになっており、新規参入が容易な分野ではないでしょう。

今後生き残りが難しい部品
エンジン
自動車において最も重要なアイテムの一つ、エンジンです。
モーターに切り替わるかどうかで、車両の種類が変わってしまいます。
無くなることはないと考えますが、シェアはモーターに取られていくと予想します。
そもそもエンジンは吹かしたりするような使い方には向いておらず、日産のe-powerのように一定の回転数で動かし続けるのが最も燃費が良いのです。
アクセルやブレーキで回転数を制御する現行の車両システムは最も燃費の悪い使い方と言えるでしょう。
ガソリンの持つエネルギーに対する移動距離、いわゆる燃費はせいぜい10数パーセントとされます。
対してモーターは80%程度と大きくかけ離れています。
加えて、回転数とトルクを別に制御できないエンジンと違い、モーターは回転数とトルクをそれぞれ別に制御できるため、原動機としては向いているのです。
トランスミッション
日本ではCVT全盛ですが、トランスミッションはエンジンありきの物です。
車両を動かすに必要な2つの要素、トルクと回転数をエンジンはそれぞれ別に制御できません。
ゆえにトランスミッションで変速比を制御しています。
自転車のギアと同じ理屈です。
ところがモーターはトルクと回転数を別に制御できるので、トランスミッションは必要ありません。
代わりに、トランスミッションから変速機能を除いた減速機が必要となります。
エンジンからモーターに代わっていくと、トランスミッションも減速機に切り替わっていくでしょう。
ただ、トランスミッションメーカーはeアクスルという減速機+アルファの新しいアッセンブリーの開発に取り掛かっています。
仮にトランスミッションが消えても、トランスミッションメーカーはeアクスルメーカーとして残る可能性はあります。
★☆★☆★☆ ナウでヤングなレンタルサーバー!ロリポップ! ☆★☆★☆★
☆月額110円〜容量最大1TB!大人気のWordpressも簡単インストール!☆
燃料タンク
こちらもエンジンがモーターに切り替わると同時にバッテリーへと切り替わっていきます。
八千代工業や東京ラヂエーターなどが有名ですが、これらのメーカーは燃料タンクだけのメーカーではありませんので、主力製品を燃料タンク以外に移していく可能性があります。
おわりに
自動車メーカーだけでなく、自動車部品メーカー、自動車業界全体にとって大きな変革期となっている脱炭素化。
消えゆく部品、増えていく部品がありますが、変わっていくニーズに合わせ、自身が変革し続けられるか?
各メーカーの実力が問われます。
それでは、ここまでお付き合い頂き、有難うございました!

コメント