メーカーの宿命?選別作業とは

自動車業界

選別、といえば物を選り分けることですが、これほどメーカーの人間を怖がらせる言葉もありません。

特に製造や品質保証の方は聞いた瞬間にヒヤリとするでしょう。

今回はそんな選別作業についての話です。

選別とは

製品を良品とそれ以外に分ける作業

製造された製品は梱包され、出荷されますが、規格をクリアしていない品があった場合、良いものと悪いものに分け、良いものだけを出荷する必要があります。

それが選別作業です。

大抵は客先からの不具合の報告、あるいは社内の検査工程で発覚したりします。

社内で見つかった場合はまだしも、客先からの連絡だと大変です。

本来、出荷できないものが大量に作られ、出回ってしまっていることになるからです。

一般的に、製造された製品はデポなんて呼ばれる倉庫にまとめられており、一つ一つ開封して選別を実施します。

どこで行うの?

社内で見つかれば社内工場の片隅で行ったりしますが、客先からの報告で発覚した場合は社外の倉庫で行います。

それも納入先工場近くの倉庫になりますので、その倉庫まで出かけて行って行います。

つまり、泊りがけの出張です。

さらに納入先工場がカーメーカーだったりすると、1日の納入数が尋常でない数になるので、延々選別作業をし続けることになります。

倉庫というのは屋根があるだけ屋外よりまし、といった状態で、空調などはまずありません。

夏は暑く、冬は寒い中で作業を続けます。

加えて良品率が低く、中々良品が取れない場合は大変です。

選別作業を行うのは品質保証部が多いですが、客先との交渉を行っているのは営業や生産管理ですので、作業中に遠慮なくガンガン電話がかかってきていました。

営業「まだ出来ないの!?」

作業員「今やってるよ!!」

お互いに「こっちの気も知らないで!」の状態ですので、不毛な戦いです。

恒温槽で行う場合も

常温におかれた環境で不具合が見つけられない場合、マイナス何度の低温やプラス80度の高温にさらして選別を行うこともあります。

製品を30分から2時間ほど過酷な環境の恒温槽にさらし、作業を行います。

製品も災難ですが、人間も同様です。

メーカーの責任ですが、一度経験すればもうやりたくないとなるでしょう。

その嫌われる選別を日常的に行うのが品質保証部署です。

管理人は計4つのメーカーで働きましたが、選別がない企業はありませんでした。

専門の業者も

不具合の発覚は、事前に何の予兆もないので、いつも突然です。

選別に行かないと、でも人が用意できない!というときには外部の業者に依頼します。

メーカーに代わり、専門に行う会社があり、グリーンテック が作業員のクオリティも高く、業界では有名です。

管理人も幾度となくお世話になりました。

グリーンテックは従業員数が3000人を超える大きい会社で、社名ロゴの入った社用車も有しています。

管理にはその車を社内で見かけた際、何か起きたなと思いましたが、いつも知らないふりをしていました。

おわりに

発生しないに越したことはない選別作業ですが、不具合のないメーカーというものは残念ながらありません。

ユーザーに粗悪品を届けるよりはと意を決して行う水際作戦がこの選別作業です。

製品を知っている、ある程度技術のある人でないと従事出来ないだけに、人件費も高額になりやすいですが、製品にさらに詳しくなれるチャンスでもあります。

一緒に作業を行った方とは仲良くなりやすいですしね。

もし機会があれば、手を上げてみるのも良いかも知れません。

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