元社員がカルロス・ゴーンについて思うこと

自動車業界

ご存じ日産自動車元会長のゴーンさん。

本名カルロス・ゴーン・ビシャラ氏です。

2018年11月19日、東京地検特捜部に金融商品取引法違反の容疑で逮捕されました。

簡単に言えば、貰っているはずの給料を少なく報告したという内容です。

具体的には総額で350億円程度とか。

管理人が以前いたジヤトコの年間売り上げが7~8,000億円で、利益率が6%程度としますと、年間利益は450億円ほど。

つまり売上高8,000億円の大企業の1年間の利益に相当するほどの額をちょろまかしたことになります。

そもそも日産と三菱の社長を兼任し、別々に給与を受け取るなど、強欲振りで有名な方でしたが、管理人はこの逮捕劇が起きるまでは嫌いではありませんでした。

強烈なトップダウン

日産自動車はよく官僚主義的と称されますが、管理人も同感です。

リスクを恐れるあまり、動きが非常に遅くありますが、上からの指示には早く動く傾向があります。

日産で一番売れている車両の一つ、軽自動車のデイズを作れと指示したのもゴーンさんです

日本でこれだけ売れている軽自動車を何故もっと本腰を入れて作らないのか、という経緯と聞いています。

また、日産へいらした当時は腹心の部下たちを多数引き連れており、当時を知る方に聞いたところ、「ゴーンが連れて来た連中は漏れなくとんでもなく優秀だった」ということでした。

その後、各種工場の閉鎖などのコストカット、マレリ (旧カルソニックカンセイ)を日産グループから切り離すなどの構造改革等々、辣腕を振るいました。

ゴーンさんのような方でなければあんなに急激に日産を立て直すことは出来なかったと思います。

優れた危機管理能力

2013年11月、日産とコマツは日本の経済成長に水を差すネガティブリーダーと評されました。

別に赤字ではなかったのですけども、成長率が同業他社より低かったのです。

記者会見当時、管理人は神奈川県厚木市にある日産テクニカルセンター (通称NTC)という日産グループの開発本部で勤務していました。

当日、NTCは朝から異様な雰囲気で、やけに息苦しかったのを覚えています。

COOだった志賀さんが会見を行うはずであったのですが、突然ゴーンさんが自分で行うと言い出したらしいのです。

日産役員は朝から横浜本社に缶詰だったとか。

そして会見の時間になると、NTC中のモニターがぱっとONになり、あちこちにゴーンさんの厳しい表情が表示されました。

管理人にはさほど悪い内容に思えず、なぜあんなに厳しい表情であったのか理解できなかったのですが、後にコマツと並んでネガティブリーダーと記事に書かれているのを見て、理解出来ました。

あの時、もし予定通り志賀さんが会見を行っていたら、日産のみがより悪く書かれたでしょう。

それを敏感に感じ取り、突如予定を変更して日産のトップである自らが会見を行い、日産は現状が厳しいことを深刻に捉えているというメッセージを発したのです。

株価への影響を恐れたのかと思いますが、恐ろしい危機管理能力だとぞっとしました。

社内への絶大な影響力

ゴーンさんはレバノン系フランス人であり、レバノンは第二の故郷です。

ジヤトコ時代、管理人は市場不具合を調査していましたが、そのレバノンで、ある市場不具合が発生しました。

それもゴーンさんの友人の車だというのです。

日産もジヤトコも上へ下へ、それこそ蜂の巣をつついたような大騒ぎになり、普段お呼びしてもなかなか応じてくれないような上の方の役職の方が、その日の夕方に全員集合するような事態になっていました。

管理人も当時特別対応を多方面にお願いし、真夜中にも電話が鳴るような事態でしたが、普段なら有り得ないようなスピードで調査を終わらせました。

その件はなんとかなりましたが、あまりの影響力にまさに絶対君主だと思ったことを覚えています。

また、NTC時代、一度ゴーンさん本人がいらっしゃいました。

来訪予定の2週間前からメールが飛び交い、総務などは事前準備に追われていたようです。

当日はエレベーターが一基、使用禁止になると聞き、そんなことが出来るのかと感心し、管理人も見てみたいとは思いましたが、関わらないようにしました。

おわりに

日産関連の会社で職を追われた人は少なくありません。

管理人もその一人です。

強欲だが、危機管理に優れた強いリーダーと思っていただけに、当時の逮捕劇はショックでした。

日産圏を離れて大分経ちますが、管理人はもう日産グループで働く気も、日産車を買う気もありません。

権力は腐敗する。

絶対的な権力は絶対に腐敗する。ジョン・アクトン

まさしくです。

引用元

カルロス・ゴーン – Wikipedia

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