自動車会社各社は自動車本体価格の値上げを発表しました。
判明している具体的な内容は下記のとおりです。
日産自動車:ノート (4400~4万4000円)
マツダ:マツダ3、CX-3 (6万6000円)
三菱自動車:アウトランダーPHEV (15万円程度)、デリカD:5 (8万8000円)、ミラージュ (3万3000円)
スバル:フォレスター (未定)
いずれも理由は原材料価格、海上輸送費の高騰とのことですので、さらに影響は広がるでしょう。
コストダウンなどカイゼンの得意なカーメーカーがコストアップを車両価格に転嫁することは珍しいです。
今や「カイゼン」は英語圏でもKaizenで通じるほど有名な言葉となりました。
管理人は自動車業界で長く働きましたが、工場の生産現場に限らず、設計や市場不具合の調査部署などホワイトカラーでも改善を行っていないところはありませんでした。
例えば、設計では原価低減のため、原材料を現行のものから安価なものへ変更するということを行っていました。
実際に変更した原材料で試作品を作り、実験部に試験を行ってもらい問題なければGo、など。
この一連の業務を要因変更と評することもありました。
また、原価低減だけでなく、東日本大震災の時の様に災害によりサプライチェーンが破壊され、既存の材料が手に入らなくなった際にも代替の原材料を使用するため、この要因変更が行われていました。
基本的に、商品というのは販売開始直後が一番価格が高く、徐々に下がっていきます。
価格を下げれば、当然利幅が減ります。
利幅を減らさないために、コストカットを行い、製品価格を下げているけど、利幅を減らさないという離れ業をやってのけるのです。

カーメーカーでこの窮状では、その下のサプライヤはさらに苦しい立場にあることは想像に難くありません。
よくピラミッド型と評されますが、自動車業界はカーメーカーを頂点とした形になっており、上に行くほど利幅が出やすくなっています。

原価低減が受注の条件となっている場合もあり、一言でいえば値下げです。
サプライヤに対し、毎年値下げすれば計3年間、次のマイナーチェンジまで買うよ、という内容です。
自動車はその車両の生産終了まで数年間、同じ部品を使いますので、上記のような原価低減の条件を飲めば、数年間は売り上げを確保できるのです。
サプライヤも利益が減るのを黙ってみているわけにはいかないので、通常業務の他にコストダウンを続けなければならないという訳です。
この原価低減が中々大変で、まるで上納金だと苦労した覚えがあります。
加えて利益が出ない仕事などやる気は出ないですしね。
自動車の納期は延びる、価格は上がる、給料は上がらない・・・。
先日岸田首相が他国に4兆円を投入すると表明されていましたが、バズるのもさもありなんです。
引用元
自動車、相次ぐ実質値上げ 原材料高を転嫁 メーカー各社(時事通信) – Yahoo!ニュース
国内でも現行モデル値上げへ—マツダと三菱自動車が先陣[新聞ウォッチ] | レスポンス(Response.jp)
原材料価格の高騰に耐えきれない? 三菱自が値上げで先陣 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
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