人間では消化できない食物繊維を分解してエネルギーに変えている草食動物。
草食大家畜などと称される牛は牛乳を搾ったり、チーズを作ったり、長年人類から愛されてきました。
その牛のゲップやおならに課税する案がニュージーランドで出ています。
今回はそのゲップ・おなら税についてです。

いずれ人も!?その前にウサギは!?
牛のゲップ・おならに新税!?
ニュージーランド首相のジャシンダ・アーダーン首相は10月に行われた記者会見で、地球温暖化対策として、家畜のげっぷやおならに課税する方針を発表しました。
「農業による地球温暖化に価格を付けて削減する制度を策定した国は未だない。ニュージーランドの農家は率先者として恩恵を受けられる」とアーダーン首相は強調しました。
オージービーフという名称も浸透している通り、ニュージーランドには1,000万頭もの牛が飼われており、同国の温室効果ガス排出量の半分は農業由来とされます。
地球温暖化が進み、極度に巨大なハリケーンやこれまで例のなかった災害が発生している今、いよいよ見過ごせなくなったというところでしょうか。
引用元:「牛のげっぷ・おなら税」導入の方針、ニュージーランド政府が確認 – CNN.co.jp
ジャシンダ・アーダーン首相は大学で政治学などを学び、若干37歳でニュージーランド3人目の女性首相になった才女です。
父親は警察官であり、ご本人は農業とはあまり関わりなく育ってきたようです。
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なぜ牛のゲップやおならに税金を?
そもそも、なぜ牛のゲップやおならに課税するのでしょう。
いずれ人にも波及していくのでしょうか?
答えはノーです。
人間の胃は一つですが、牛は4つも胃を持っています。
1つ目の胃には1gに250億というとんでもない数の微生物が存在し、食物繊維を発酵、分解しています。
牛が食物繊維を分解しているのではなく、牛の胃の中にいる微生物が食物繊維を分解しているのですね。
その発酵の過程でメタンが発生します。
メタンは二酸化炭素の数十倍もの温室効果を持っており、牛のゲップやおならにそのものではなく、牛から排出されるメタンガスに課税するという内容です。
これらのガスがどの程度地球温暖化に影響しているかは不明ですが、排出される温室効果ガスのうちメタンは全体の16%程度の量を占めています。

引用元:温室効果ガスってどんなもの? | 南房総市ホームページ (city.minamiboso.chiba.jp)
牛はゲップやおならをガマンできない?
牛が草を消化する過程で出てしまうメタンガス。
では、牛にゲップやおならを我慢してもらったらどうでしょうか?
そうすると、牛は死んでしまいます。
牛の体からガスが上手く排出されないと「鼓腸症」という病気になり、死んでしまうのです。
引用元:072_chuken_01.pdf (chikusan-club21.jp)
では、エサを変えてみたらどうでしょうか?
この研究は行われています。
エサにカギケノリという海藻を加えることで、メタンの排出量を減らせるという報告があります。
ただ、地球上のすべての牛が食べるほどカギケノリの量は無く、未だ研究段階です。
引用元:牛の「おなら」と「げっぷ」は地球温暖化の原因なのか?科学者たちの挑戦 | WIRED.jp
このニュージーランドの例が先駆者となり、世界にも波及していく可能性はありますので、こういった研究は盛んになっていくかも知れません。
おわりに
牛肉や牛乳、チーズやヨーグルトなどの乳製品は人の歴史から切り離すことは出来ないほど、我々の生活に浸透してきました。
今後、牛からメタンガスの排出量を減らす方法が確立されない場合、乳製品も高根の花になっていく可能性もあります。
次世代に生き易い世の中を残していかなければなりませんが、昭和を生きてきた自分としては、色々なモノが禁止されてきて、なんだか生きにくくなるなぁと思うのでした。
それでは、ここまでお付き合い頂き、有難うございました。

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