名だたる有名企業でありながら悪評で世間を騒がせることの多い三菱電機。
防衛省への製品納入など日本の防衛にも関係する企業であるだけに、他人事ではありません。
今回はその三菱電機不祥事のまとめです。
品質不祥事たくさんに加え、パワハラまであるとは・・・。
三菱電機とは
言わずと知れた三菱グループの電機メーカーで、1921年、三菱重工業から電機部門が分離する形で設立されました。
1921年というと大正10年、戦前ですね。
2019年の売上高はなんと4兆1,914億円！純利益は1,931億円という超巨大企業と、デンソー並みです。
エレベーターでも三菱電機製は良く見かけますし、自動車業界でもソレノイドなどが有名です。
最近コンシューマー向けではエアコンなどが強力ですね。
引用元：三菱電機 – Wikipedia
三菱電機不正まとめ
昨今発覚した三菱電機の不正は架空請求に品質とパワハラの大きく3種類です。
ジャンルに分けても3種類・・・。
架空請求
国に対する架空請求
まずは架空請求です。
2012年、防衛省は三菱電機がミサイル設計などについて、経費を過大請求したことから、指名停止としました。
取引停止です。
その架空請求はなんと防衛省に対してだけでなく、総務省や独立行政法人などにも行われており、合わせて指名停止処分を受けました。
2016年までに返納金を納めており、指名停止は解除されています。
個人の犯罪
同社は東海道新幹線、山陽新幹線の予約システム「スマートEX」の保守を行っていますが、営業部門の複数の社員が取引先に架空発注を行い、代金を着服していました。
総額は2億4,000万円と個人の犯罪としても随分多い額です。
製品不正
下記5項目に加え、三菱電機は役員10人程度に追加処分を下すことを決定しました。
引用元：三菱電機、役員10人程度を追加処分へ（共同通信） – Yahoo!ニュース
パワー半導体検査での不備
2020年2月に、福岡市のパワーデバイス製作所で製造されたパワー半導体の絶縁耐圧試験において、2014年5月に新しい方式で検査を行うことが決定された後も、2014年11月～2019年6月までの間に旧方式での検査で出荷していたことが発表されました。
検査方法が変更になったのに、改めなかったのですね。
理由は不明ですが、面倒だったのでしょうか？
自動車用ラジオのEU規格不適合品の出荷
2020年12月、兵庫県三田市の三田製作所で開発・設計されたEU向けの自動車メーカー用ラジオでEU規格に適合していない製品4種33万5238台を出荷していたことが発表されました。
品質不適合品を30万台以上も出荷するというのは、元品質エンジニアからすると理解できません。
安全基準を満たさない電気制御部品の出荷
2021年5月、岐阜県にある名古屋製作所可児工場で製造された工場での配電盤などに使われる電気制御部品について、安全基準を満たさない製品を出荷していたことが発表されました。
この影響で2021年11月5日付で、ISO9001の認証停止処分を受けています。
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鉄道用機器検査での不正
2021年6月、長崎製作所で製造していた鉄道車両向け空調装置について、1985年ごろから35年以上にも渡って、専用のプログラムを設けて組織的に不正な検査が行われていたことが発覚しました。
ズルをして検査に合格しやすくしていたのですね。
鉄道車両向け空気圧縮機の検査でも不正が発覚しました。
変圧器検査での不正
2022年4月、兵庫県系統変電システム製作所赤穂工場にて製造していた原子力発電所や鉄道変電所向けの変圧器について、1982年～2022年3月までの40年間に渡って、不正な検査が行われていたことが発覚しました。
不適切行為が確認された変圧器は，6万ボルト以上の変圧器で3,000台以上にも上ります。
労働問題
労災
三菱電機情報技術総合研究所に勤務していた当時31歳の男性が同社から長時間労働を強いられ、適応障害を発症、労災申請を行い、労働基準監督署から労災として認定されました。
男性の話では、月に160時間にも及ぶ残業を行ったのに、少なく申告するように命じられたこともあったとの話です。
通常、残業は月80時間で過労死ラインなどと評されますが、その2倍です。
月20日勤務するとして、1日8時間の残業・・・。
パワハラ
三菱電機兵庫県尼崎市の事業所にて、2019年に配属された新入社員の男性が同年8月に自殺されました。
その後、男性の遺品から「次 同じ質問して答えられんかったら殺すからな」、「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう？」とするメモが見つかり、遺族は警察に相談し、警察はメモで名指しされていた教育担当の上司を書類送検しました。
4月に入社した社員が4か月後の8月に自殺、これはもはや教育とは呼べません。
引用元：三菱電機 – Wikipedia
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私が接した三菱電機
私が自動車部品メーカーで働いていた際、ある市場不具合を調査しました。
様々な調査を行い、原因が三菱電機製のソレノイド (直線運動をするモーター)であることが判明し、三菱電機の担当者2名が来社されました。
非常に丁寧、かつ聡明な方々で技術者としても優秀なのだなということはすぐに分かりました。
原因は確かに三菱電機のソレノイドであったのですが、規格自体はクリアしており、不適合品ではなかったため、結果としては規格を変更する形になりました。
こういった規格を変更する場合、「うちは悪くない」的な発言を非常に良く耳にしますが、この時は何も問題なく真摯に対応してもらい、私の三菱電機への評価はグンと上がったもので、この一連の不祥事には驚いています。
トヨタなどもそうですが、こういった巨大過ぎる組織は組織の特徴もありますが、個人個人の差が非常に大きいように思います。
おわりに
今回は三菱電機不正をまとめてみましたが、いかがだったでしょうか？
数多く不祥事がありますが、三菱電機は世界に名だたる大企業であり、日本国への貢献も小さくありません。
是非、再発防止に取り組み、「名門」の実力を発揮して欲しいものです。
それでは、ここまでお付き合い頂き、有難うございました。
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