日産傘下で大手トランスミッションメーカーのジヤトコ。
特にギアを無限に擁する構造の無段変速機、CVTで無類の強さを誇ります。
ところが、親会社の日産の電動化戦略からは取り残されているとの評判です。

ジヤトコは本当に出遅れているのか?を検証します!
直近の業績
ジヤトコの業績
⇩はジヤトコの直近5年間の業績です。

引用元:ジヤトコ株式会社の情報 | 官報決算データベース (catr.jp)
左側Y軸:売上高, 億円
右側Y軸:純利益, 億円
2012年に5,925億円もあった売上高は年々減少し、2021年では3,000億円程度と半減しています。
一方で、純利益は2019年に-130億円と底を打ち、2020年からは黒字転換の上に回復傾向にあります。
おそらく、内部では相当にコストカットが行われていることでしょう。
日産の業績
⇩はジヤトコの親会社である日産の直近5年間の業績です。

左側Y軸:売上高, 億円
右側Y軸:純利益, 億円
こうして見ると、ジヤトコと日産はほぼ同じ動きをしていることが見て取れます。
日産が2019年、2020年と赤字が続いたのに対し、ジヤトコは2020年にはすでに黒字転換しており、コストカットにいち早く着手したと言えるでしょう。
日産向け売上高比率
⇩は日産連結売上に対するジヤトコの売上高比率です。
ジヤトコ売上高÷日産連結売上高×100で算出しています。

この5年ほど、おおよそ3~4%程度で推移しており、ジヤトコの売上高は日産連結で見ると急減している様子もなく、日産の電動化戦略に出遅れた、と良く耳にしますが、そうでもなさそうです。
ジヤトコは日産で好調なe-powerにはまだ余り食い込めていないと思っていただけに、これは私も意外でした。
ジヤトコには日産だけでなく、三菱自動車やスズキも資本参加していますが、主力は日産向けです。
これを見ると、EVはまだ市場が小さいので、参入時期を計っているという同社の主張は正しいように思えます。
おわりに
私は一度リーフに乗ったことがありますが、トルクがある割に静かで面白い乗り物と思いました。
原動機がエンジンからモーターに切り替わることで、自動車が家電のように値崩れを起こしていくのではないかと危惧する声も聞きます。
昔、エンジンで動いていたラジコンヘリは少年たちのあこがれの的でした。
原動機がエンジンからモーターに変わり、名前もドローンとなって、ごく安価で大量に出回るようになりました。
自動車も似た道を歩むかもしれません。
ただし、忘れてならないのは自動車は交通機関であるという点です。
自動車に携わる人全員が「交通機関を作る者の責任」を軽視しないで頂きたいと思います。
それでは、ここまでお付き合い頂き、有難うございました。

コメント